水のたび、いのちのたび #1 小さなペットボトルの中に、山をつくる

hiro

親も子どもも夢中になった水のろ過実験。見えない地面の中の世界を、自分たちの手で再現しました。

「水のたび、いのちのたび」で最初に行ったのは、ペットボトルを使った水のろ過実験でした。今回やりたかったのは、単に泥水をきれいにすることではありません。山の中で起きている水の動きを、小さなペットボトルの中に再現することでした。

山に降った雨や雪どけ水は、土や砂、石など、いくつもの層を通りながら地面の中へしみ込んでいきます。そこで、小石、砂、活性炭などを重ねて、ペットボトルの中に「小さな山の地面」をつくりました。 どのくらいの速さで水が落ちるのか。色はどう変わるのか。どのくらい透明になるのか。子どもたちはもちろん、お父さん、お母さんたちも、驚くほど真剣に観察していました。

「砂をもう少し入れよう」「この層を厚くした方がいいんじゃない?」。いつの間にか、大人も子どもも一緒になって試行錯誤していました。

小さなペットボトルの中に、小さな山をつくる。

中でも印象的だったのが、あるお父さんのろ過装置です。ろ過材をとても丁寧に詰めたため、水が通るスピードがものすごくゆっくり。お昼ご飯を食べて戻ってきても、まだ水が一番下まで届いていませんでした。

でも、その分、時間をかけて通ってきた水はかなり透明度が高くなっていました。当初は必要に応じてPAC(凝集剤)を使うことも考えていましたが、その必要がないほどでした。早く通ればいいわけではない。時間をかけて、いくつもの層を通ることで水は変わっていく。そのことを、目の前で実感できました。

そして、山の役割は水をきれいにすることだけではありません。山や森を通った水は、岩石や土壌由来のミネラルや栄養を川へ運び、やがて海へとつながっていきます。それらは海の小さな生きものや、その先にいる魚たちの命を支える一要素になります。

山が水を育て、その水が海の命につながっていく。

遠く離れて見える山と海は、実は水でつながっています。今回の小さなペットボトルは、その長い「水のたび」のほんの一部を、自分たちの手で見てみるための小さな山でした。

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