森のモニタリング

地下水と森の関係を探る:蔵治教授と高嶋博士が歩いたルスツの地形

hiro

「地下水と地表の水は、同じように見えて、まったく別の動きをする」──調査中に聞いた印象的な言葉です。

2025年5月、北海道ルスツで実施された現地調査では、水と森の関係を探るために、専門家による地質調査と森林踏査が行われました。

水資源のパートでは、井戸の水位を測る候補地点を選定し、通信機能付きのIoTセンサー設置に向けた準備が始まりました。また、雨量や雪の影響を測定するセンサーの設置場所も検討。こうした地道な準備は、「この水はどこから来たのか?」を答えるための第一歩です。

森林のパートでは、過密状態にある森林エリアの間伐可能性を確認。水を地中にしみこませる力(涵養力)を高めるには、木々の密度や下草の状態も重要です。

さらに注目されたのが、「リーキーダム」と呼ばれる自然堰の構想。倒木を利用し、川の流速を緩めることで水をゆっくりと地中に戻す──これこそが、自然を壊さずに活かす“グリーンインフラ”の考え方です。

蔵治教授の一言が心に残ります。

「水をコントロールするのではなく、水の気持ちになって考える。」

地質と森林の声を聞きながら進む、ルスツの新しいリゾート開発。その土台には、こうした地道な調査と専門家のまなざしがありました。

記事URLをコピーしました